株式会社サヤトレの増田です。
本日は「相場変動は読めない」をテーマにお届けします。
サヤ取り投資やロングショート戦略をしていると
「上昇相場のときに、はたして買いと売りを両建てする意味があるのか?」
そういう疑問や質問をいただきます。
事実、上昇相場においては、両建てしているがゆえに、株価上昇の恩恵を素直に受けることができません。
上昇相場のときには、両建て売買をしていると空売りしている銘柄は、損失になります。
両建てせずに片張りの現物買いの投資をしたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、だからといって両建てを外し、現物買いの片張り投資を行ったとしたら、投資結果は相場変動次第です。
この相場変動が分からないので、サヤ取り投資をしているのに相場のトレンドが続くと相場変動が読める気になりがちです。
本日は、私が相場変動は読めないと実感した実例をお届けします。
2011年と2022年のドル円の為替相場です。
2011年は、東日本大震災。
この時の日本は、原発事故によって日本国にとって大きな損失が発生しました。
しかしそんな中、なぜかドル円は、大きく円高方向に推移したのです。
日本国の危機なのにも関わらず、円が買われて上がる。
これは、金融や経済の教科書に書いてある金融の法則とは真逆の値動きです。
当時の私は、証券会社に勤めており毎日真剣に相場と向き合っていました。
そんな私自身が「えっ!なんで円高なん???」
不思議で仕方ありませんでした。
また証券会の社内でも円高に推移する理由を明確に説明出来る人は、誰もいません。
テレビに出ているようなコメンテーターもハッキリしない口調でゴニョゴニョ言う感じです。
結局の所、日本の危機であったとしても日本円=安全資産というイメージから円が買われるというフンワリとした結論で終わります。
そして月日は流れ、2022年。
ロシアがウクライナに戦争を仕掛け、ロシアが世界中から経済制裁を与えられます。
ロシアは、デフォルトするかもしれない懸念からロシアの通貨ルーブルの価値は大きく下落しました。
しかしその中で、世界中でロシアルーブルよりも大きく価値が下落している国の通貨があったのです。
それが日本の円です。
日本円の価値は、ロシアルーブルよりも下落。
日本円は、世界中から売られて円安になりました。
何で???
2011年は、日本が震源地であるにも関わらず円が買われて、2022年は、ロシアルーブルよりも日本円が売られてしまう。
この理由や違いを説明出来る方いますか?
経済コメンテーターは、今回もドルと円の金利差が理由とそれらしい事を述べて説明しています。
多分あっているのでしょうが、それでデフォルトしそうなロシアの通貨より日本の円が売られますか?
私には、サッパリ分かりません!
私個人は、経済コメンテーターではありません。
投資家です。
私は、長く投資の世界にいますが、2011年や2022年の事例を含めて相場変動は、読めないと考えています。
コメンテーターとして価格変動後に、それらしい後付けの理由と解説なら、私にでも簡単に出来ます。
しかしロシアに経済制裁が入ったタイミングで・・・
ロシアルーブルよりも日本円の価値が下落する!
投資家として、こんな読みで投資する事は出来ません。
ロシアのデフォルト懸念で安全資産の円が買われる(円高)と予想するのが一般的な投資家だと思います。
私もそう思っていました。
私は、相場予想が当てられない事が前提です。
よって円高方向に投資をしていません。
もし自分の予想に従って投資していたらきっと大きく損をしていた事でしょう。
円高になっても円安になっても、株高になっても株安になっても、どっちでも良く、自分の投資に関係ない。
そういった投資スタイルを好み私は、サヤ取りやロングショートをしています。
2011年の円高と2022年の円安の事例。
ぜひ皆様は、予想出来ましたか?
良い事例なので参考に考えてみてください。
以上、資産運用のヒント、ご参考になれば幸いです。
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